エレキギターを良い音で録音してDTMに使おう。歪み系の話

DTM・作曲あれこれ

エレキギターをCubaseなどのDAWで録音して音楽を作る・・・となると一番直感的で良い音で録れるのはアンプから出た音をマイクで録音する方法だ。しかし近隣住民からの騒音苦情に怯えながら暮らす現代のギターキッズには現実的ではない。

そこでお手軽に録音できる方法として真っ先に思い浮かぶのがライン録音だろう。オーディオインターフェースを使えばアンプなし・マイクなしで録音できる。生楽器にはない利点だ。

しかしギターからエフェクターを通してオーディオインターフェースにぶち込んで録音しても理想的な音とは程遠くなるのだ。エレキギターという楽器はアンプありきであの歪んだ音色が作られていることを実感できる。

そこで今回はギター宅録初心者のために【エフェクターのみ】・【アンプシミュレーターあり】・【アンプシミュレーター&真空管マイクプリを通した音】の3種類を比較してみた。

結論から言えばアンプシミュレーター&真空管マイクプリを通した音が一番良い音で録れるのだが、アンプシミュレーターだけでも充分使える音になることを伝えられたら良いなと思う。もちろん俺はプロギタリストではないが、ギター初心者がこれから宅録するにあたって何を揃えていったらいいのかの1つの指標になれば幸い。

クランチサウンド編

音声が再生できない時は回線状態が安定する環境で閲覧するか翌日に閲覧してください。

エフェクターのみの音

録音環境だが、ギターはテレキャスター(フロントシングル・リアスタックハム)にエフェクターはZoomのG3Xを使用した。オーディオインターフェースはSteinbergのUR22MkⅡを使用している。すべてミックストーンだ。

上は歪み(OD-1のモデリング)とイコライザを通してオーディオIFに接続したもの。今持っているエフェクターではオーバードライブ寄りの音しか作れなかった。クランチ自体がそもそもエフェクターのみでは再現しにくい。

これではギターのソフト音源を使った方がマシだろう。

次はアンプシミュレーターを通して録音してみる。

Marshallのアンプシミュレーターを通した音

上は歪みエフェクターはなしでアンプシミュレーターとイコライザのみを通した音だ。一気にギターらしい音になったと思う。これならソフト音源より遥かに使える音だろう。

そして次はこのセッティングのままPreSonusの真空管マイクプリアンプを通してみる。この音にアンプらしい真空管特有の音色が足される訳だ。

PreSonusのTubePre v2を通した音

このマイクプリは歌やベースなどの出力が小さい音声信号を真空管で増幅させることが目的なので大きく音色は変化しないが、この真空管を通すとアンプを通した時の温かみとうっすらとした歪みが足される。サチュレーション感というのだろうか。

正直なところヘッドホンをして聴いたらようやく分かる程度の変化だが、ここまでやればギターらしい音としては充分すぎるのではないだろうか。

オーバードライブ・ディストーションを録る

次はかなり歪ませた音の場合だ。クリーントーンやクランチの場合はかなりアンプの音色が重要になるが、歪みが大きくなるとエフェクターで作られた音だけでもそれなりの音になる。ただそういった音はソフト音源でもそれなりに再現できてしまうのでどこまで拘るかが問題だ。

まずはディストーション系のエフェクターをそのまま録音した音を聴いて貰おう。全てテレキャスターのリアハムバッカーの音だ。

音量注意。

音量注意

上はマルチエフェクターに入っているRAT2のモデリングエフェクターを通した音だ。これとイコライザーを通しただけだがどうもファズっぽくなってしまった。

とりあえずパワーコードもブリッジミュートもリードもギターっぽい音にはなっているが、安っぽい。音作りが下手な人のギターって感じ。

次はこのセッティングのままアンプシミュレーターを通してみる。

Marshallのアンプシミュレーターを通した音

クランチ編で使っていたMarshallモデリングのアンプシミュレーターを同じ設定で通した。一気にクオリティの高い音になっている。ディレイを使えばリードとしてもかなり使える音になる。

ディストーションやオーバードライブの音を録音するコツとして重要なのが、歪みを2つ使うことだ。最初に歪みエフェクター、次にアンプシミュレーターで歪みを足す。こうすることで実物のアンプを通した時の音作りを疑似的に再現できる。

最後に真空管マイクプリを通した音を聴いて貰おう。

TubePre v2を通した音

真空管を通すと更にアンプを通した音らしさが出る。クランチよりも効果が大きいのではないだろうか。サチュレーション感が足されてかなり雰囲気が出ている。DTMで使うには充分すぎる音だろう。

あくまでライン録音での音色にこだわるのなら真空管マイクプリは持っていても良いのではないだろうか。ボーカルとかベースにも使えるしね。

俺のギター宅録のクオリティの変化

さてここまで自分の経験を基にギターの音を良くする方法を書いてきたが、せっかくデータが残っているので俺が昔録音した音と最近に録音した音のクオリティの変化を載せてみたい。

今聴くと5年前の音はそれなりに酷いなと思うが、当時は持ち合わせの知識と機材でがんばるしか無かったしギターもそれほど本気で練習していなかったので仕方ないかなと思う。

以下は2016年に録音したものだ。

そもそもこれはギター宅録を初めてほんとに最初のほうに録ったものだった。2016年の動画だ。

ギターはジャズマスターで、エフェクターはBOSSのBD-2、アンプシミュレーターはLine6のPOD2.0という安かったやつを通して録音した。

まぁソフト音源よりは良いかもしれないがやはり安っぽい音である。そしてそもそも下手である。クランチ気味のアルペジオになると音が瘦せているしサステインもないしで良いとこなし。ただジャズマスターの音は良い。

この時でもアンプシミュレーターを使えばとりあえず良い音で録れるということは知っていた。POD2.0は音色の自由度がかなり低かった記憶があるが、これも今ならもっと上手く使って味のある音を出せるような気がする。

ちなみに最新はこれだ。去年の4月ごろに録ったもの。

ギターもエフェクターも記事のもの全く同じ

歌物のバックで鳴らすのでEQで色々な音域を削ってはいるが、クランチとリードでこの音色が出せれば宅録DTMerには充分じゃないかと思う。ここまでくれば機材を言い訳には出来ないのでギターの腕前を上げないといけない。

フジゲンのテレキャスター1本でこれだけ色んな音が出せるというのも結構気に入っている。今度はコイツのことについても書きたい。

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